赤ずきん様とオオカミさん
「柚希ちゃん、学校の時間だよ」
時計をみてみると、いつも家を出ている時間になっていた。
「あら、じゃあ母様、父様、行ってきます」
普通は、ボディーガードも執事たち同様、私のことを様付けするのが決められている。
が、大神は私が柚希と呼べと許したからいいの。
「大神っ!早く行こうっ」
大神の手を引っ張って、車が置いてある庭まで走った。
途中、家の中にいる執事やメイドに「お嬢様っ、走るとお怪我をなさってしまいます!」などと言われたが軽く流した。