先生に片想い♡
『……おせぇ(笑)』

「……あ、ごめんね…」

悠くんのところへいたの、気づいてるかな?
………妊娠のこと、多分聞かれるよね。

『待ってるから』

それだけ、言われると切れた。
あたしは玄関を出て、駐車場まで向かう。
…あ、あぁ。
隼人くんにどうやって説明すればいいんだろう?
まだ何も決めてないのに。
まだ、現実を受け止められないのに。

「おまたせ」

あたしはいつもより元気なく言う。

「……いくぞ?」

あたしは頷いて下をむく。

「……あのね」

「うん」

「妊娠……してた」

言えた。
隼人くん………
今何考えてるの?
今何思ったの?
どんな顔してるの?
こわくて、隼人くんを見れない。

「将来、産めなくなるかもしれないけど…"今"をとりたいから」

もう、過去には戻れない。
前に進むしかない。

「何もしてあげられなくて…悪い」

あたしは辛くなって下を向いたまま横に首をふった。
そんな事ない。
そばに居てくれてうれしい。

「……なあ?」

「何?」


< 38 / 49 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop