力のある者
「ここらでは、世界樹の根元に来てる人を誰でもスパイって言う領主が居るらしくてね、こいつもそいつ手下だろう」
俺はリバースにそっと耳打ちした。
「キミやっと元にもどったのかい?」
「ああ」俺は短くそう答えた。
「まあいい、お前らまとめて片付けてやる!」兵士は腰に備え付けてある剣を抜き、俺に向けて構えた。
「はっ、そんな簡単に勝てるかな?俺の名聞いたことあんだろ?『時翼』のナギってな」
ナギはそう言ってびくついた兵士を剣で脅した。
「ひぃひぃぃ、こ、殺される!」と悲鳴をあげて逃げていった。
「キミ、大丈夫?」リバースが横の髪を蜜網にした少女に聞いた。
「あなたは・・・?」少女が聞いた。
「おいらリバース、この世界に・・・・」
とそのとき
「ハーブ!大丈夫だったか?」
「シェイプ・・・。大丈夫、この人たちが助けてくれたの」
「おいら、リバース!こっちはナギ!」
「ああ」
「すまない、ハーブを助けてくれたようだな。礼を言わせてもらう」誰だよこいつ・・・・。
「ん・・・・?お前達、街じゃ見ない顔だな・・・・。難民か?」
「スパイの次は難民?難民ってなに?」リバースが怪訝そうな顔をして言った。
「この街の人間じゃないんだろ?何所から来たんだ?」
「ヴェルタスのギルドから派遣されてきた」
「ああ、そういえば、そんな話があったな」
「街の人間じゃないのによく入ってこれたな」
「ああ」
「こんな所をうろついてると、また兵士に見つかっちまう。さあ、戻るぞ、ハーブ」
「うん、あ、あの・・・。私、ハーブ・・・・」
「さっきは助けてくれてありがとう。じゃあ・・・・」
「ナギ、・・・だったか?ギルドに登録したいなら、まず、酒場を探すことだな。
近くにGIRDって書いてある看板があるから・・・。あっ俺もギルドだからヨロシクな」
「じゃあな!また会えると信じてるぜ。あっ俺の名はシェイプだヨロシクな」
シェイプとハーブは神殿を後にした。
「行っちゃった・・・」
「ここは物騒みたいだし、街へ行こうよ」
「おいらもこの世界の情報を知りたいしね」