上から眼染。

親友と従兄

アタシは一夜に急かされながらも
なんとか買ったイチゴオレを抱えて
頬を膨らませながら教室に向かっていた。

「何でアタシばっかり・・・・・」

「何その膨れっ面は。また黒瀬?」

一番の友達、三森菜々は
アタシの口ごもった愚痴に
しっかり反応し当たり前のように
その名を口にした。

「君はエスパーかね」

「あんたの愚痴は
黒瀬しか聞かないって」

「マジデカ」

「自覚無かったんかい。
・・・で、今回はどうしたの?」

「うん、あのね・・・」
「よーぉ悠璃!!」

アタシの声を遮る突然の声と
同時にアタシの背中に
ちょっとした衝撃が走った。

「湊・・・ッ!?」

アタシの背中を叩いたのは
同クラ+隣の席兼従兄の
南雲湊斗だった。
身長はアタシより24㎝高い
-172㎝-結構普通だ。

湊斗はアタシのどこかを叩いて
登場する。
勿論、
セクハラにならない程度の場所を。

「・・・その登場、飽きた」

「えぇ!?」

「てか痛い」

「えぇ!?」

「煩い」

「え・・・っ」

湊斗は心底驚いたように固まった。
アタシはそれをスルーして
教室に向かう足を動かした。

湊斗は放心状態で
その場に立ち尽くしていた。

(固まる必要はないと思うけど・・・)

足早に歩くなか
アタシは内心そんなことを思った。





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