キスマーク
花びら
「帰らなきゃ・・・・。」

ベットの中でつぶやいた。

「家族に奉仕してしまいに旦那に浮気されて
そんな家に何で帰るんだ。」

「そんなこと言わないで…。」

そう私は めちゃめちゃに愛した夢を追う彼を捨てて
結婚という安泰を選んだんだ。


彼に再会したのは 
娘のピアノの発表会の日 
ゲストとして演奏したのが 彼だと知って愕然とした。
夢を現実にした彼は
前よりもっともっといい男になっていた。

「ひさしぶり。」
声をかけられて 私は目をそらす。

「こんな私 見られたくなかった。
気づかない振りしてくれたらいいのに…。」 

「俺は…忘れたことなかったよ。
こんないい男を捨てて 幸せになった女のこと。」

惨めで泣きそうになった。


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