濡れたカラダ
濡れたカラダ
今日は春の嵐になるって朝の天気予報で言っていた

うわー。今、外にいる人達は可哀想だなぁと思いながら目線をテレビに戻した


ピンポーン、ピンポーン

「2回!」

私は慌てて玄関に向かって行きドアを開けた

「無用心だぞ」

ずぶ濡れになった彼氏が前に居た

「だって、2回鳴らすのは圭吾だけだもん」

そう言いながら中へと促す

「それでも、もし、違う奴だったらどうすんだ!今度から気をつけて」

最初は怒り口調だったけど最後の言葉は凄く心配そうな顔と口調に私は

「…うん。今度から気をつける」

と言ってタオルを渡した

キッチンで温かい珈琲を淹れているとカウンターの向こうで圭吾がシャツを脱ぐ

その動作にドキッとして手元が狂って少しお湯が手にかかった

「ぁつっっ!」

私の声に慌ててキッチンに入ってきた圭吾は私の手を見た

「大丈夫か?」

心配してくれているのは分かってるんだけど火傷なんてどうでもいいぐらいに彼にドキドキしてる

だって、上半身裸、毛先から滴る雫、ズボンからチラッと見えるボクサーパンツ、伏し目がちに見る顔

私は今まで以上に好きになってしまった





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