君のためなら
「なんで怒鳴っといてないてんの」

そういってあたしの頭に手を置いたのは・・・

達也。

達也はいつもこういうときあたしを助けてくれる。

あたしは我慢しきれず達也にすがりついて泣いた。

達也は何も言わずあたしの頭をなでてくれていた。

「あ、おい!朽木・・・あれ」

あたしは達也がいった方を見た。

そこには・・・

手を繋いだ秦くんと雛奈の姿があった。

秦くんはそのまま愛美のところへ行った。そして

「愛美ちゃん、ごめん!俺・・・雛奈ちゃんのことが好きなんだ。・・・だからごめん!ほんとごめん!あとこれ以上雛奈ちゃんには何もしないでくれ」

秦くん・・・!!

いった!

愛美は泣いていた。そして小さくコクンとうなずいた。

「ありがと」

秦くんはそういうと雛奈に「もう大丈夫だからな?」と声をかけていた。


・・・よかった。

よかったね、雛奈!

あたしの心は幸せでいっぱいだった。

秦くんはあたしの方を見て「グッ!」とサインを作った。

あたしも「OK」サインを作ってうなずいた。

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