日常化した座敷わらし
『ぇ』
『えぇぇぇ!?』
姉「喚かないの」
『えぇっ、だって、これ洋館じゃん』
姉「うん」
『お爺ちゃん家、純和風じゃん』
姉「うん」
『おかしくね?』
姉「…」
『どーゆーこと?』
姉「知るか」
『ええええええー』
母「ここはお爺ちゃん家の離れなの。ほら、隣にお爺ちゃん家あるでしょ?」
『へー』
姉「分かったか、ちび」
『いや、お姉ちゃんも知らなかったよね。何で堂々とドヤ顔してんの』
姉「ぁ、彼氏からデートのお誘いが…」
『うん、二次元にデートしに逝ってこい。ぇ、でもおかしくね?何で純和風の建物の離れが洋館なの?明らかにアンバランスだよね。』
母「洋館はお婆ちゃんの趣味。お爺ちゃんとお婆ちゃんが喧嘩して別居してたの。」
『いい年こいて、喧嘩して別居!?しかもお隣さんってあんま意味ないよね!?』
母「そう。いつまで経っても喧嘩が絶えない夫婦だったわ。ボソッ(間を取り持つこっちの身にもなってみろってんだ)」
『ぇ、ちょっと今本音が…』
母「ん?」
『(ヒィィィィィッ)…そ、空耳かな~』
母「そう。…でも、その別居中に…お婆ちゃんが急に倒れて…
発見された時にはもう…息を引き取っていたの。
それで、その時からお婆ちゃんが住んでいたこの洋館がそのまんまになっているの」
『そうなんだ。…、お爺ちゃんショックだったよね…』
‐‐‐‐‐‐‐‐‐
爺「わっはっはっはっはー!!酒じゃぁー!!酒を持ってこ~い」
『…』
母「もぅ、安静にしてなきゃダメですよ」
爺「固いこと言ってんじゃねーやー!!五月蝿い婆さん居なくなって、ヒック、やっとせいせいすると思ったら自分が倒れるなんざぁ、酒飲まなきゃやってらんねーよぉヒック」
母「もぅっ」
『…お母さん。』
母「何?」
『これが本当に、妻亡くして次に自分が倒れて現在峠を向かえる人の姿ですか?』
母「お爺ちゃん昔からやんちゃだったからねー」
『いゃ、やんちゃのレベルじゃねーだろ!!』
労ろうとした気持ちを玉砕される気分の真流であった