日常化した座敷わらし
『ぶっふぉおおおっ寒っ!!』
真流はドンチャン騒ぎの家を後にして、近くの海に散歩しに来ていた。
『あ"ー、海なんてただてさえ寒いのに北海道の海なんてもっと寒いに決まってるよ!!
それでも来た私は馬鹿か!!いや、違う、居場所がなかったんだーー!!』
悲しきかな。真流は一句詠んだ。
極寒の
見知らぬ場所で
居場所なし。
『まったく、自分の家族の事を死んで精々したなんて…なんてジジィだ。
…気分悪い。』
自分の家族で考えると祖父の言った言葉が的外れにも程がある
父は母に尻に敷かれているが、ちゃんとそれが愛情の裏返しであると理解している。
だから母も安心して自分を出せる。
それを誇りに思う真流は、祖父に腹を立てて家を飛び出したのである。
『へっ、来なきゃ良かった…』
座「じゃー帰るか?」
『うーん、帰りたいのは山々なんだけど…
って、どわぁぁあああ!!』
ぶすっと、頬杖をしながら海を眺める真流に突然鬼畜の声が聞こえた
座「あ?」
『いや、あ?じゃないでしょ!!何でここにいるの!!』
座「暇になった。部屋も荒らせる所は散々荒らしきったし…。」
『ちょ、何とんでもないことサラッと二言目に言っちゃってんの!?この鬼畜!!』