日常化した座敷わらし


真流はひらめいた。


『兎に角、わらしは暇だから来た。わらしは私のいるところに飛んで来れる。私は項垂れていた。そして、寒いってことだね!!』



座「適当にかいつまんで、まとめただけじゃねーか。ひらめきでも何でもねーよ。」


『煩い!!まとめることは重要!!
そして寒いから、皆のとこに戻る!!』


座「帰るんじゃなかったのか?」


『どーやって?』


座「部屋主なら、飛ぶときに連れてけれる。」


『へー、便利だな!!でも、どっちにしろいきなり居なくなったら皆心配するからちゃんと、戻らなきゃ。』


座「へー、じゃ。」


『わらしも戻らないの?』


座「観光してくる。」


『遠足か!!じゃ、気を付けてー』


座敷わらしはのそのそと海辺を歩いて行った


『座敷わらしは寒くないのかな?着流し一枚なのに。あ、てか"わらし"って言っても怒らなくなった…慣れたのかな?』


真流は独り言をしながら家へ戻って行った



『只今ー』


母「ぁ、やっと帰ってきた!!もぅ、心配したんだから。こんな寒いなか何処行ってたの?」


『海』


爺「…」

母「あんた…馬鹿?」


それもそうだ。
真流は心の中で納得した。


爺「真流や。ちぃと来い」

『…?うん。』

真流は祖父につれられて祖父の自室に入った


爺「…おみゃぁさんが海に行ったと聞いて思い出しただがの…」


そう言って祖父はゆっくりと座布団に腰を下ろした

真流も自然と斜め横の座布団に座る


爺「…実は昔…。婆さんと約束してなぁ。…手紙を書いて埋めたんじゃ。」


『…手紙を?』


爺「あぁ。…5年前、婆さんが何を思ったか「5年後の私たちに手紙を書きましょう」とか言ぃだした。だからワシは婆さんに婆さんはワシに書いたんじゃ。」


『へー…。』


真流は意外に思った。てっきりずっと仲が良くない関係だったと思っていたのだ。


『本当は仲が良かったんだね』


爺「いんやー、別に、仲は良けんなかったわい。喧嘩ばっかりしとったわい。あの婆さん尺な事ばっかり口だして来るからの。」


『ぇー』


爺「…けんど、約束はぜったい守っとったぁ。魚は一日一回は食事に入れること。食後は熱い茶を煎れること。風呂の順番はじゃんけんで決めること。」


『何で最後だけ幼稚!?』


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