日常化した座敷わらし



座「爺に手紙届けて、お前に何かメリットがあるのか?




……それとも、偽善か?」



座敷わらしの目が細められる


それと逆に真流の目は見開く



真流は瞳を閉じて、自分の手を撫でた


『違うよ』


座「じゃあなんだ」



『…私は、』



『お爺ちゃんの笑顔が見たいから。
メリットとか偽善とかそんなの知らない。
私はただお爺ちゃんに約束を守って欲しい。
ちゃんと約束貫いて、元気な笑顔で満足して逝って貰いたい。
天国でお婆ちゃんと笑顔で会えるように…』


もう時間がなかった

いつ命が途切れるか分からない

そんな状況だから、

お爺ちゃんとした約束を…

今やるべき事を

やり通す。





真流は笑顔で言った

その瞳は深く、深く、澄わたっている



そして、もう一度瞳を閉じ一息置くと


頬を軽く叩き、いつものイキイキとした表情を取り戻し


真流はまた砂を掻き分け始めた



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