日常化した座敷わらし
座「…お前は馬鹿か。その脳ミソの軽さには呆れしか出ねぇよ、くそが」
『ちょっ、この流れで貶すとかなくね!?優しく励まして手伝う流れだろ!!』
――ザッ
座敷わらしが一歩前に出て、腕を小さく横に振った
座「そんなんじゃ10年かかっても見つからねーよ」
鼻で小馬鹿にするように笑った座敷わらし
その手には、中に手紙が入っている瓶が握られていた
『ん?………その瓶って…まさかっ!!』
座「本当トロいなお前」
渡された瓶は少し錆びていて、栓は潰れていた
しかし、底にはうっすらと5年前の今日の日付が記されていた
『なんで、どうやって!?』
座「なんやかんや」
『雑ぅぅうう!!』
座「そこら辺の設定まだあやふやなんだよ。」
『それNGワードォォオオオ!!』
座「じゃあ、神様の力で5年前の過去を見たとか言っとく」
『そんなのあり!?ってかなんでそんな無気力なの!!』
座「まぁ、そこら辺は置いといて…」
――トン
座「行けよ」
真流は座敷わらしに背中を押された
そのまま走り出した足は何故だかとても軽かった
『わらし!!ありがとうーー!!』
真流は振り替えって大声で叫んだ
座「…電柱にぶつかるぞー」
『ぇ、』
――ゴンッ
『いっつつぁぁぁあああ!!』
座「時間ねーんだろ。タラタラしてねーで、走れ短足」
『……糞わらしがぁぁぁ!!こんちくしょーー』
真流は半泣きになりながら全速力で走って行った
瓶を握りしめ、向かう場所は……
『待ってろ爺ぃぃいいいい!!』