日常化した座敷わらし





――ガラッ



『はぁっ、はぁっ、はぁっっ』



母「っ!!真流!!あんた今までどこ行って…」



真流は心配と怒りの表情を見せる母に肩を持たれた



『ごめん、それよりお爺ちゃんは!?』


母「ごめんってあんたねぇ『お爺ちゃんは!?』」




父「……だいぶ、衰弱してるよ」



『…』



真流はキッと表情を鋭くするとベットに横たわる祖父に近寄った




『…お爺ちゃん。起きてよ。』



全く反応の無い祖父に真流は強く歯を噛み締め、握り拳に力を入れた



姉「…真流?」




『っ、約束したでしょ!!それ破る気か!!出来ない約束はしないんじゃなかったのかよっ!!』



真流は無我夢中で、静かに眠る祖父の衿を掴んだ



『聞いてんのか!!お婆ちゃんと私の約束、っ破んないでよぉぉ!!』



母「ちょっと、真流!!止めなさい!!」




祖父の顔にポタポタと暖かい雫が降る







『目ぇ覚ませ糞爺ぃぃいいいい!!っ』








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