日常化した座敷わらし
真流は世界史の教科書を再度開こうとするさえ子を全力で止める
さえ子「分かった、分かったから。離れて、鬱陶しい。」
『酷いよ!!人をハエみたいに扱わないで!!』
さえ子「どーでもいいから。はやく話せや」
『…へい。
その悪夢がね、身体中の穴という穴を全て塞がれて窒息死する夢だったの』
さえ子「わー、そのまま一生その穴閉じてくれてたら良かったのに。」
『うん、痛い。心に刺さるから、怖い言葉を使わないで。
でね、それからというもの、その悪夢が怖くてこのアイマスクを着けて寝ると寝苦しくて途中で目が覚めちゃうの』
さえ子「もう、それ捨てろよ。全く安眠じゃないじゃん、本来の役目全く果たしてないでしょ。不眠症治るどころか悪化してるよ」
『捨てるなんてやだよ、買ったばっかしだもん。
……でもこれ以上寝不足が続いても困るから……これ、さえ子に譲るね』
真流は惜しむ表情でアイマスクを差し出す
さえ子「や、結局悪夢のアイマスク手放したかっただけだろ。だから意地になってまで話をしたかったんだろ」
さえ子の鋭い言葉に真流の肩がギクッと揺れる。
『う…。
だって…。だって捨てるのも何か呪われそうで嫌だったんだよ!!しょうがないでしょ!!』
さえ子「しょうがなくないわ!!人に呪いを擦り付けんなよ!!」
『いーじゃん、友達でしょ!!呪いの一つや二つ擦り付けられてよ!!』
さえ子「呪い擦り付けようとしてる時点で友達じゃねーよ!!達の悪い嫌がらせだろ!!」