日常化した座敷わらし
歯は大切に
この日真流は、休日にも関わらず暗い空気を漂わせていた。
その原因は…
看「こんにちはー、診察券をお願いします」
『……はい』
『(なんで…なんで、歯の詰め物が取れてしまったんだ私はぁぁぁあ!!)』
そう。
ここ、真流の現在地は〔ニコニコ歯科〕と看板がぶら下げられた、即ち、歯医者さんだ。
経緯を説明すると、ある日ガムを噛んでいた真流はふいにガリッと嫌な感触を感じた
見てみると、それは昔詰めた白い歯だった。
真流は急いで元の場所に詰めようとしたが、ガムやチューイングキャンデーを食べると直ぐに取れてしまう。
甘いガムやチューイングキャンデーは真流にとって欠かせない物だった。
その上、知り合いに早めに治した方がいいと言われた為、久し振りに歯医者に行くことになった。
そこは地元の歯科で、昔からの常連であり近所である真流は看護師や医師とは顔見知りで、久し振りに会話を弾ませた。
…が。