銀月龍の唄集
本当は。
本当はね。
去って行くあなたに
『行かないで。』って 言いたかった。

本当はね。
泣きたくなるくらいには
あなたが好きでした。

それでも、あなたが
『お前は、強いから…』
『1人でも大丈夫だろ。…』とか
『あいつは、俺がいないとダメだから。 』なんて。
バカで強がりなアタシは
そんな《アタシ》を演じてしまうんだ。

本当はね。
泣いて、すがり付いて
『イヤだ。』って
『別れたくない。』って言いたかったよ。

出来なかった。
こんな別れ方なんて。
アタシ達の3年間が
こんなにも呆気ないものだったなんて。

それでも…アタシは。
あなたを愛していました。
友達にはバカだと笑われても。
それでも、構わない位には
きっと、あなたが好きでした。
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