君が笑えば。


「…中西、春先颯斗に、だな?」

「う…」


俺は体育館を抜け出した。

中西の手を引っ張って走りつづけた。


「はぁはぁ…」


息切れしてついた場所は春先颯斗が入院中の病院。

「彼方くん?」

「中西が泣いてる理由はここだろ?」

「…」

「じゃあ」

ぐいっと引っ張ると必死にほどこうとする。

なんでだよ…

「あたし…ここにいる」


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