君が笑えば。
■ごめん■
side 中西結菜
「中西、俺、勝ったよ。」
「うん」
「約束してくれたよな?」
涙が溢れそうだった。
あたしは彼方くんじゃない、颯斗くんに勝ってほしかった。
思わずあの時声に出して応援してしまったけど…
きっと颯斗くんはあたしの声なんて聞いたって誰かはわからないのに…
あたしのことなんてわからないのに…
好き。
颯斗くんのことが大好き。
だけど…
だけど約束は約束。
あたしは彼方くんと付き合わなきゃ…
そんなのいいのかわからないけどいつか、いつかあたしは好きになれると思うの。
いつだって支えてくれる彼方くんのこと。