君が笑えば。
「俺が全てを思い出したのはもう一ヶ月くらい?前のこと。
俺が結菜に『もうここに来るな』って言った日あったろ?
あのときにはもう全部思い出してたんだ。」
「え…」
「俺がお前を思い出せたのは、郁也のおかげだ。
俺は自分の力でお前のことを思い出せなかった。
俺はそれがすごい悔しかったし、最低だって思ってた。
だから、もう結菜に会うのはやめようって…」
「だから…あんなこと…?」
「ああ…でも…でもどうしてもお前が山本彼方とくっつくのが嫌で…どうしてもお前のことが好きで…好きで…好きで…
ごめん。お前の気持ち聞いてないのに…山本彼方とくっつき「ばか!」
え?
結菜?
「ばか!ばか!ばか!ばか!ばか!」
結菜は俺の胸を叩く。
泣きながら…ばかって言いながら…
「結菜…?」
「あたしは…ずっとずっと颯斗くんが好きで…ずっとずっと颯斗くんのことでいっぱいで…もう思い出してくれないって…あたしのこと好きって言ってくれるわけないって…思っ…ひっく…思ってたからぁ…だから…」