君が笑えば。

「彼方くん!」

大きな声で呼ぶ結菜ちゃん。

彼方?って言うの?

「中西…知り合い?」

「うん!」

「そか…」

「彼方くんどうしたの?」

「いや、てか、中西みたいな子供がこんな時間にウロウロしてちゃダメじゃん!」

「ひどいなぁ!彼方くんと同い年だもん!」

「よしよし」

「子供じゃない!」

俺の前で結菜ちゃんと彼方って奴が会話する。

まるでカップルみたいだ。

付き合ってんのかな…

でもそしたら呼び合い方が不自然すぎる。

じゃあ…
結菜ちゃんが彼方って奴が好きなのか?

俺はただ呆然と立ちすくんでいた。


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