君が笑えば。

本当は嬉しくて顔がにやけそう。

しかも
好きな人がいないって言われた訳でもないのに…

なのに…
喜んでしまう。

バスケ部のキャプテン…

その一言にすごくびびった。

だけど
結菜ちゃんは…結菜は好きじゃないんだって…

結菜は…

「どうかしました…?」

結菜が不安そうに聞く。

俺もしかしたら気づかないうちににやけてる!?

必死に真顔に戻そうとする。

「あの…春先くん?」

「…」

声が出せない。

声を出したら…
気づいたら嬉しさで声が裏がえってしまいそうで怖い。

「…サカナクションききました?」

「聞いたよ!」

「めっちゃ良かったですよね!」

「良かった!」

「でもあたしねごとも好きなんですよ」

「あ―!俺も好きだよ!」

『俺も好きだよ』

『俺も好きだよ』

キミにそう言える日がいつか来る?

いつかキミに『好き』って言える?

明日はまたバイトがある。

明日もまた塾前にくるキミを眺めるんだ。


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