君が笑えば。
■雨■
「いらっしゃいませ」
俺は笑顔で言った。
キミが入ってきたから。
「は、颯斗くんってなんでバイトしてるんですか?」
「え?」
レジで結菜が買う商品の会計をしてるとき、結菜がいった。
しかも
俺を春先くんじゃなくて颯斗くんって…
たったそれだけなのに…なんだかすごく嬉しかった。
「俺がバイトしてるのは…なんとなく…かな…」
結菜に…
結菜を見るため
なんて言ったらきっと気持ち悪がられるよな…
「そうなんだ…」
「うん…255円…」
「あっ…」
そう言って会計をすると、キミは入り口まで行って振り返った。
「また今度…お茶できる?」
「う…うん」
「じゃ、また…メール待ってる」
そう言って走り去るキミを見て思っていた。