君が笑えば。
「…春先颯斗…お前、中西のこと好きだろ…?」
「はぁ!?」
あまりにも急で、
驚いて声が裏がえった。
「やっぱりな…でも、俺譲る気ないから。」
「え?」
「俺も中西が好きだから。」
「…俺は…」
『俺はお前に勝てる自信がない』
俺はそう言いかけた。
俺は明日、
結菜に会う。
結菜に俺の気持ちを伝えたら、
もう結菜はバイト先に来なくなるかもしれない。
結菜に俺の気持ちを伝えたら、
メールもくれなくなるかもしれない。
それでも、伝えたいんだ。
結菜に俺の気持ちを…
その日の夜から
強い雨が降り続いた。