君が笑えば。

涙があたしの頬を伝う。

「アイツは…結菜ちゃんを見つめてた。好きだった。」

涙が…止まらない。

「…アイツがあんなに人に感情を持ったのは…
久々だよ…」

「…アイツのお母さんはそう思ったんだろうな…
だから『あなたなら、いいの。』って言ったんだろうな…」

郁哉くんの言葉が胸に突き刺さる。

こんなときに気持ちに気づくあたしはどんなにばかなんだろう…

あたしは…
颯斗くんが好き。

颯斗くんを
ずっと見つめてた。

颯斗くんが…
あたしを見つめてくれる目は今はどこにもない。

あの瞳はない。

「アイツ…またグレちゃうな…きっと…」

涙が止まらない。

颯斗くんがあたしを見つめてくれてた瞳はどこにもなくて、
今はただ暗い沈んだ瞳をしてるんだ…

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