君が笑えば。

「…ねぇ、彼方くん」

「うん?」

「…記憶…戻るかな…?」

「…戻る。絶対。」

「…また…あたしのこと…見てくれるかな…?」

「…見る。絶対。」

「…一生、記憶が戻らなかったら…」

「…それはない。大丈夫だ。」
「…彼方くん…」

「…ん?」

「ありがとう」

「……うん」

病室の前で話してたあたしたちの前に人が立って影ができる。

「………彼方?」


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