君が笑えば。

あの人の

名前も

学校も

俺は知らない。

知りたい。

でも知れない。

本当に情けない。


「はぁっあ―…」

ありえないくらいデカいため息をつく。

すると塾の先生にも周りの生徒にも見られた。

がり勉ばっかりの塾じゃため息すら邪魔なんだな…

そんなことを思う。

ツンツン

俺の肩をたたく誰か。

誰なのかなんて分かってる。

俺はこの塾にひとりしかダチがいない。

河南 郁哉(かわなみいくや)。


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