君が笑えば。
「…あなた…木村さん?」
「はい、そうですけど?」
木村は目一杯に母ちゃんを睨む。
きっと母ちゃんが中西結菜をほめたからだ。
「いや…」
「失礼しますっ!」
ガラッ
「わっ」
「ひゃっ」
同時に2人の声が響いた。
「いったいなぁ」
少しぶつかっただけなのに木村はすっごい怒ってた。
そんな怒んなよ…
「すいません…」
中西結菜がまた謝っていた。
「そんなに謝ってんじゃねえよ…」
俺は反射的に中西結菜の腕を引っ張っていた。