君が笑えば。
「結菜…」
名前を呼ぶ。
君には届かないように。
そっと反対の手で頭をなでる。
そうすると
「ん…颯斗くん…」
そう寝言をつぶやいた。
病室の大きな窓から空を見上げる。
「あ…」
きれいに流れた流れ星。
流れ星と同じように
俺の目から涙がこぼれる。
全て思い出したんだ。
中西結菜のこと、全て。
結菜が大好きだった。
あんなに人を愛することこれからはもうない。
好きだ。
今でも。
俺は結菜の手を自分の手から放した。
一緒にいていいのは俺じゃない。
また辛い思いをさせてしまう。