君が笑えば。

結菜を思い出したこと。
本人には言わないでおこう。

あんなに辛い思いをさせたのに、思い出したから

なんて都合のいいことは
できない。


好きだ。

大好きだ。

だから

幸せになってほしいんだ。

俺の気持ちを押し殺せば、結菜は幸せになれる。

バイトも、やめよう。

結菜に会ってしまうなら。

退院も、伝えない。

きっと結菜は謝るから。

樹亜とも、関わらない。

きっと結菜に会ってしまうから。


俺の世界の中心は全部"中西結菜"でまわってたんだ。

もう一度空を見上げる。

「サヨナラ…」

流れる星と一緒にこの気持ちも消えればいいのに…

俺はまた眠りについた。


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