名無しのラブレター
名無しのラブレター
「っっ、ひくっ、ぅう、ぅあっ」
中庭の奥へと続く道の先にたたずむベンチ
放課後ということもあってか、人気のないこの空間には彼女の泣き声が大きく響く
ちょっと意地悪しすぎたかもしれない
確かに、仕返しのつもりで心無い台詞を言ってしまった
そうすれば彼女がここに来ることを知っていたし、俺のせいで泣くってことを見てみたかった
何よりも、彼女が犯人だという裏付けがほしかった
結果こうなったから何も言うことはないが……