名無しのラブレター
「これは……」
とっさに言葉を出そうとするが、思いの外俺は“即座”というモノが苦手らしい
言い訳すら思いつかない
「おはよ倉本!聞けよ」
「聞いてじゃないんだ」
「朝さあ、ミツの靴箱の中、ラブレター入ってたんだってよ!」
羨ましいよな!!
暴露すんじゃねーよ!!
彼女の返事を無視。あろうことか顔を近付けながら話し掛けている
俺はお前の方が羨ましいよ
彼女と親しく話せるなんて、俺の中では夢のまた夢
あーあ……