執事の秘密


俺は座って、おいでおいでと手招きする。


悠里ちゃんは、頭に“?”を浮かべながら歩み寄る。


俺は、悠里ちゃんの腕を引っ張って、膝の上に座らせる。


「あの、龍一様。これはさすがに……。見られてしまったら私が叱られます」


「大丈夫だって。誰も来ないから。今頃、皆真凛と一緒にトランプでもしてるんじゃない?」


「いえ、そういう問題では…ないんですけ……ど……」


反論する悠里ちゃんを悲しそうな顔で見る俺に気づき、悠里ちゃんは言葉を詰まらせている。


「そんなにイヤ?俺のそばにいるの」


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