八一ト
オレンジに染まる放課後――――
そこには恋次とせんじがいた
「いつもヒナちゃん来るのに
今日はやけに遅いなーー」
せんじが教卓の上に乗り
時計を見る
「もういいんじゃね?
俺たちいつまであいつのこと
待ってるんだよ…」
「だっていつも放課後になると
恋次を迎えにくるやん
しかもヒナちゃんにお礼を
いわなアカンねんやろ?」
「…………」
恋次は何も返事を言わず
ただ窓の外を見ていた
「どこ見てんねん
窓の方なんか見て」
「あいついるじゃねぇか」
「ハッ?」
「ほら、違う男連れて」
「んなわけないやろ
それ見間違いやって」
「んなら見てみろ」