桃色の蜘蛛、只一つの罪【短篇】
冬なのに半袖シャツを着て走る彼の背中には、体の半分程の大きさのランドセルがゴツゴツとゆれている。

あんなに重そうなのによく走れるな…。
彼は、着る物がなくてあんな薄着をしているんじゃないのだろう。

寒くなんてない…へっちゃら。

そんな元気が、弾むランドセルの音と一緒に聞こえてきそうだ。

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