桃色の蜘蛛、只一つの罪【短篇】
孫と手を繋いで歩くおじいちゃん…。
繋ぐ手の存在こそが生きる糧と言わんばかりの優しい目だ。

小さなおぼつかない足取りで歩く孫と同じペースで、ゆっくりゆっくり…。
残りの人生、出来れば今のペースでゆっくりゆっくり…。

生き抜いた人生の疲れを、体に年輪の様に刻んだ皺だらけの手で、孫の頭を撫でながら何を思うのだろうか。

そして、繋いだ手、撫でられた頭、その想いは小さな体の心に残るのだろうか。

自分の人生のカウントダウンをすでに感じる一方で、何にも替えがたい宝と手を繋ぎ、歩く先にはどんな輝きが見えるのだろう。

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