桃色の蜘蛛、只一つの罪【短篇】
終電に駆け込むサラリーマン。
私はこの漠然とした“サラリーマン”と言う総称が好きじゃない。

世の中の大半がサラリーを得て生活をしている。
くくりの良くわからない、一まとめな総称で呼ばれる戦士達。

あの電車の車窓に映る自分を、毎晩褒める事が出来ているんだろうか。

疲れが自らを老いて見せ、それでも明日の書類に目を通さなければいけない、褒める事などいつの事か…。

または、車窓の自分と無言の対話を繰り返し、降りる駅をやり過ごしたりしないだろうか。

自問自答の問いを聞き、答えてくれる家族が迎えてくれるのだろうか。

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