桃色の蜘蛛、只一つの罪【短篇】
ケバい化粧で顔を覆う女子高生が、コンビニの前に座っている。

人は彼女らに怪訝そうな目を向け、彼女らまた、知らん顔で馬鹿笑いをしている。

少し前までは同じような歳…。

彼女達の友情は確かな物なんだろうか。

互いに見合わす、化粧の下の素顔や、本当の心をわかり合えているんだろうか。

流行りを追いかけ、浅瀬で優雅に遊ぶその奥にある、小さな夢や希望を声を大きく話し、素顔の美しさをわかり合える、本当の人間関係。

そんな化粧の出来ない心を、若さと言う衣で隠しているようにも見えるな…。

綺麗な素顔と、真っ白な心も、たまには誰かに見て貰いなよ。
本当の自分がわかるから。

私にはそんな事すら無理だったんだから。


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