分かんない。
メアドだけは交換していたけれど
中々メールを交わすきっかけがない。
話したいけれど、
何を話したらいいかがわからない。
それから月日が流れ、
とうとう高校3年になった春。
私に彼氏が出来た。
西崎弘人(ニシザキヒロト)。
弘人が私に告白してきて、
交際がスタートしたのだ。
弘人はいい人だった。
口も悪くなければ、人の悪口も言わない。
あの人とは正反対だった。
だけど……だけど満足出来なかった。
彼じゃ不服だ。
「ねえ、弘人。ごめん、別れてほしいの」
弘人はその言葉を聞くと、
悲しそうにうつむいて涙をこぼしていた。
私は結局……あの人が好きなんだ。
どうしても忘れられなかった。