分かんない。
話せる女子が私だけ……。
口の上手い男子だ。
思わず心を奪われそうになった。
しかし私は平静を保った。
だけど、心のどこかで、
同じ代議員になりたい気もした。
彼は今朝、私を助けてくれたし、
話しかけてもくれた。
おまけに同じ委員会に
なろうとまで誘ってくれた。
ここまで仲良くしようと
してくれる男子は中々いない。
それが私には少し嬉しくて、
この時は、友達としての
川上の厚意に甘えて
同じ委員会、代議員になることにした。
「はい、話し合いの時間終了!
なる係、委員会と
相手は決まったか?
これから係、委員会を決めるぞ〜。
まずはクラスの代表、代議員!
これが決まったら、
残りの係、委員会決めは
代議員に任せます」
「はい!」
川上の声と同時に、
私は無声で手を挙げた。
周りを見回すけれど、
手を挙げていたのは
私と川上だけのようだった。
「おお、ありがとう。
じゃあ代議員は川上と神埼で
決まりでいいか?」
数人、はいと答えた。
「じゃあ川上と神埼は
前に立って係、委員会を
決めてくれ」
「はい。行こう、神埼」
私はうん、と頷くと
席を立ち、教卓前に立った。
「俺は前で喋るから、
神埼は黒板に
決まった係と委員会の
名前とかまとめを書いてくれ」
「うん」
そういうと川上は
スムーズに係決めを
終わらせてしまった。
これには先生も感心していた。
「ふう、疲れたなぁ」
川上と私は今、自分の席に座り、
向かい合って話をしている。
「緊張したなぁ。
川上、めっちゃ凄かった」
「そうか?良かった。
そう言ってもらえて嬉しいよ」
「次って学活なんだ。
何するんだろ?」
「うーん。何するんだろうなぁ。
俺は多分今学期の目標とか
決めたりするんじゃないかなぁって
思うんだけど」
「あぁ、なるほどぉ。
つか川上は
もうあのクラスに行かねえの?」
「ああ、行かない。
もう話し相手が見つかったしな。
そうなると神埼も行ってないな」
川上は口角をあげて笑う。
「あ、確かに」
私も軽く笑った。