分かんない。
その後、私は自分の部屋に戻り、
これからどうするかを考えた。
全く縛る事もなく育ててくれた母に
初めから貰っていた、自由。
私の友達は親の悪いところを言うけれど、
私の母はそんな事、あまりない。
むしろ自慢の母親だ。
何処にもいない、最高の母。
母は、幸せだから人に優しく出来る。
人に優しく出来る人は幸せになれる。
たぶんは母は両方だ。
私も、そういう人でありたい。
「……きーめたっ」
私は決めた。
゙圭祐、昨日はごめん゙
携帯のメール画面にそう入力すると、
私は自然に送信ボタンを押した。
返事はすぐに返ってきた。
゙俺とやり直してくれるのか!?゙
「……はぁ」
多分冬休みがあけたら
面倒な事になりそうだな、
とこっそり思っていた。
どう返信したらいいかも
分からないメールの画面を開いたまま
私は携帯を置いて溜め息をついた。
……〜♪
メールだ。誰からだろうか。
もしかしたら圭祐かもしれない。
だとしたら、面倒だ。渋々メールをみた。
「……あ」
゙ごめん、また付き合ってくれないかな!
兄さんがまた神埼つれてこい!って
うるさいんだ!
正月の初詣なんだけど……。
もうすぐだよな、そのー。
なんつか、大晦日さ、俺んち泊まり来て?
あ、俺とは違う部屋だから大丈夫!
多分母さんと同じ部屋になると思ゔ
川上からのメールだった。
相変わらず彼からのメールは嬉しい。
何より好きだという証拠だろう。
こんな事に誘ってくる川上が
もしかしたら私の事を好きかもしれないと
勘違いしてしまうけれど
そ、それはないっしょ!と言い聞かせた。
川上のメールには行く!と答えた。
ピンポーン
インターホンの音を聴いた私は
玄関近くに設置してある
モニターを覗き込みに行った。
………なんで。
そこに写っていたのは
紛れもなく圭祐の姿だった。
母さんも遅れてインターホンを
覗きにやってきた。
これってあの子じゃない?
と焦りの色を浮かべた母は
私を、私の部屋に隠してくれた。
「なんとか追い返すわ……」
「うん、ありがとう。母さん」