分かんない。
川上も帰って、
家の中が少しだけ静かになった。
そういえば携帯が
異常に鳴ってたなぁ……。
と思った私は、携帯を取り出した。
「………はぁぁぁっっ!!!?」
驚きのあまり、
叫んでしまった私の顔を、
今でも熱く愛し合う2人は
凝視した。
携帯には、無数の着信が
記されていた。
メールに電話。一体誰が?
少なくとも2つを合わせ、
100は越えているだろう。
まさかこんなになっているとは
思ってもみなかった。
もしかしたら、と思った私は
ちょっと部屋に戻ると言って
自分の部屋に飛び込んだ。
メールの内容は
酷く恐ろしいものだった。
゙俺だけの美佐。
お前がいない今
俺は、俺は自分が分からないよ
何をしてるのかもわからない。
ただ、美佐に傍にいてほしい。
俺だけの美佐。゙
゙俺だけの美佐。
どうしたの?
どうして俺のメールを無視するの?
分かった・・・
浮気してるんだ。
どうして俺を拒むの?
どうして俺を
受け入れてくれないの?
俺だけの美佐。゙
゙俺だけの美佐。
そっか。
そんなに俺が嫌いなんだ。
電話にも出てくれないし
俺は美佐に嫌われちゃったのかな。
もう美佐は俺に触れてくれないの?
美佐の体温を感じたい。
美佐を感じたい。゙
私は………恐怖のあまり
叫びそうになる口を、
片手で必死に押さえていた。
恐ろしすぎて、目に涙がたまる。
冷や汗まで滴り落ちる。
怖い……
田所圭祐は……一体何者なの?
゙俺だけの美佐ぁぁぁぁ!!
愛してるからね、凄く凄く!
狂おしい程に愛してる!
もう、一時も離したくない
だから、ね
一生、俺の物にしてあげる
俺の、お人形に、してあげる。
ふふふ。
俺だけの美佐。゙
背筋や肩がゾッとした。
人間が言う事じゃない……。
かつて聞いた事がある。
ヤンデレというものの性質を。
ヤンデレとは正に、正にこれだろう。
私は……
この男に殺され、一生物にされる。
奴の言葉にはきっとそういう意味が
込められているのだろう。