分かんない。
やけに時の流れは遅い。
さっさと受験生になって
高校へ行ってしまいたい。
そんな事を思いながら、
やっと年明けがやって来た。
あれからなんとか
華ちゃんのおかげで
一之瀬と仲直りする事が出来た。
学校が始まる頃。
「あのさ」
「何?」
「俺、そろそろ美佐と遊べない」
一之瀬は深刻そうな顔をする。
「行かなきゃならない高校がある。
そこに行くために
もう勉強を始めないと
間に合わないんだ。
そのくらい、頭のいい高校なんだ」
それからの一之瀬は
誰とも話す事なく勉強していた。
休み時間だろうとお構いなしで。
段々私と一之瀬が
一緒にいる事もなくなった。
一之瀬は常に勉強。
私はというと、
杏子とずっと一緒にいた。