分かんない。
少女は眼を覚まさぬまま。
少年は孤独にも少女の傍で嘆く。
その姿から
誠の愛で向き合っていたのだ、
と確認出来る。だが少女は、
ぴくりとも動かぬまま。
意識もせず呼吸もせぬ。
あの時狂人が少女の頸に、
つけたものは毒であった。
狂人は少女の死を待ち侘びる。
逸早く己の物にしてしまいたいのだ。
長き月日の間、
少女は眠る。
脳死し、
未来にも望み無き少女。
少年はひたすらに少女の再生を願う。
「………み…サ……」