夏の香り
夏の香り
「氷海(コオリウミ)君!一緒に海行かない!?」
そうやって日だまりの様な笑顔で俺を誘うのは俺のクラス委員長の夏井向日葵。皆からなっちゃんと呼ばれ親しまれている。所謂人気者。
いつも読書をしている俺とは真逆のタイプだ。
「俺はパス。皆で楽しんで来てくれ。」
俺は読みかけの本を中断し、答える。
ここはすぐ近くに海があるド田舎。
クラスの親睦会として海へ行こうと夏井が提案したらしい。
「えぇー行こうよー絶対楽しいからー」
何がだ。ただ暑いだけだろ。