夏の香り
クラス親睦会の日。
俺の自転車が途中でパンクして徒歩で行くはめになった。
自転車だと30分の距離にある海。徒歩だと1時間はかかる。
完璧に遅刻だ。
―――最悪。
赤坂に逃げたと思われるだろう。
夏井に約束を破ったいい加減な奴だと思われるだろう。
いや、夏井は関係ない。関係ないんだ。
きっとこの気温で頭がおかしくなっているんだ。
とりあえず俺は海を目指して歩いた。
俺が着く頃には告白は終わってしまっているのだろうか――…?