だから、今日 告白します

「今日は、イベントに呼んで下さってありがとうございました。凄く楽しかったです。」
「うん、来てくれてありがとう。」
スッと手を出されて、はてなマークが浮かんだ私に、彼は笑顔をこぼして、私の手をとった。
「握手。」
にっこり笑って握られた手から熱が上がって来た。
「最後までいる?」
「はい。」
「最後まで楽しんで行ってね。」
ぺこりとお辞儀をして、その場を離れれば私の後ろに列ができていた。
こんなにファンがいるんだ、応援している人に沢山ファンがいることは嬉しいことなのに、何か遠い存在だって言われてるようで
初めて声を聞いて言葉を交わして嬉しくてどうにかなりそうなのにポッカリ穴が空いたように胸が痛かった。

「海、良かったね。」
「うん、ミオちゃん、ありがとう。」
「それにしても、海だけだね。」
「何が?」
「あっちから握手求めて手を差し出したの。」
「そんなことないよ。」
「そんなことあるよ、良かったじゃん!」
私だけに手を自ら差し出した?
もし、本当なら凄く嬉しくてしかたない。
浮かれそうな自分にそんなことあるはず無いでしょっと言い聞かせて私はまた、第二部が始まろうとしていた会場に戻った。
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