幼なじみ

ピンポーン

インターホンに出て話すお母さんから逃げて、あたしは部屋に走って行った。

「あらあら、ありがとう。さ、上がって行って♪」

そんなお母さんの声が聞こえてしばらくしたら、

「入るぞ。」

と声がした。
そこには、かっちゃんがあたしのランドセルを持って立っていたんだ。

「雪奈、お前ランドセル忘れるとかあり得ないし。」

「いいじゃない!どうせあたしはバカですよ~だ!」

そう言いながら、あたしは教室での話を思い出していた。
気づいたら、あたしの頬には涙が流れていた。
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