幼なじみ

健介side


次の日。
登校した俺は、前から歩いてきた雪奈を見つけた。

雪奈はため息をつきながら、俯いて歩いていて、俺に全く気づいていないようだった。

「俯いて歩いてると、危ないよ・・・雪奈。」

俺がそう声を掛けると、

「あ、健ちゃん・・・おはよう♪」

と顔を上げて言う雪奈。

「雪奈、おはよう。」

そう言って雪奈の視線を追うと、克哉が女たちに囲まれていた。

「雪奈・・・ちゃんと克哉のそばにいないと・・・ダメじゃん!」

そう言った俺は、雪奈の頭を撫でてやることしか出来なかった。


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