幼なじみ
門脇を笑顔で見送る雪奈にイライラして、俺は雪奈の前に出て行ってしまった。
「やっぱヘラヘラしてる。雪奈、あんなやつの言うこと信じちゃうわけ?べ、別に覗いてたわけじゃねぇからな!あんなの家の前で話すなっつうの!はっきし言って、耳障りだし!」
ビックリした顔の雪奈に、さらに冷たい言葉を投げかけてしまった俺。
そんな俺に、珍しく雪奈が言い返してきた。
「かっちゃんに関係ないじゃない!」
なんなんだよ!関係ないとか言うなよ!!
「関係なくねぇよ!昨日会ったばかりのやつに好きだとか簡単に言うやつなんか、信用出来ねぇ!雪奈、あんなやつの言うこと信じんのかよ!」
たまらなくイライラした俺に、今にも泣きそうな雪奈。
「何でそんなこと言うの?何で関係なくないの?あたしが幼なじみだから?ずっと一緒にいても好きになってもらえないことだってあるのに・・・会ってすぐかもしれないけど、あんな風に好きだって言ってもらえたら、素直に嬉しいよ!」
そう言った雪奈は、俺のことを見ないでそのまま家の中に入って行った。
「雪奈!待てよ!」
待てよ・・・雪奈・・・
俺、こんなこと言いたいんじゃないんだよ・・・
本当は俺、雪奈のことが好きなんだ・・・