幼なじみ
走って屋上まで来たあたしを、門脇くんが追いかけてきていた。
そして何も言わないあたしの隣で、黙って座っていてくれる門脇くん。
しばらくして門脇くんが口を開いた。
「雪奈ちゃん、言いたくなかったら言わなくてもいいけどさ、俺、雪奈ちゃんの味方だよ?何でも話して?」
その門脇くんの優しさが嬉しくて・・・
あたしは話しだした。
「あたしね・・・かっちゃんのことがちっちゃい時からずっと好きだったの・・・でも、かっちゃんはあたしのことはただの幼なじみとしてしか見てくれなくて・・・卒業式の日に告ったんだけど、フられちゃったんだ・・・」
「うん・・・」
「でもね、あたし、幼なじみとしてしか見てもらえなくてもいいと思ってた・・・そばにいられるなら・・・でも、かっちゃん、あたしのこと、もう嫌いになっちゃったみたいだから・・・顔見たくないって・・・あたし・・・どうしたらいいんだろ・・・」